いきさつ
2016年夏の夜、なかなか眠れずにいたので開けた場所を求めて印旛沼へ行きました。想像していたよりも空は明るく、森と茂みの奥深くが暗かったのを覚えています。
水辺のほどよい場所を見つけて寝転んでいると、風が草を揺らす音、虫の音、水鳥の声がいっそうよく聞こえてきました。星々が輝く空を仰ぎ、目を閉じてから少しすると、ようやく安心して眠ることができました。
このようなことを何度も続けながら印旛沼周辺の自然を眺めているうちに、あらゆるものは深いところで繋がっていることに気がつきました。社会的なつながりとはまた違う、なにかもっと根源的なつながりです。
私の場合、このつながりは街で過ごしたり、人と会っているときにはなかなか得られません。風が吹き抜ける草むらや月明かりに照らされる景色のような場所を一人歩いて、心が解放されるときに気がつくことができるのです。
言葉では形容しがたいけれども、たしかにそこにあるなにかを撮り続けています。