プロフィール
李豪哲 | Hochoul Lee
李豪哲の作品は言葉の問題の言及が根幹にあり、言葉によってカテゴライズされることで失われていく固有性の存在意義を問い直します。
近年制作している「A Second in Thousands」シリーズは作家のパフォーマンス行為により、鑑賞者と感覚を共有するように作品が完成していきます。
平面作品では秒単位で刻印された未来の時刻を、指定された時間通りに作家自身がペイントすることで印字された時刻を消していきます。
彫刻作品では床に並べたブロックに同様の時刻が印字されており、ハンマーで一つ一つプロックを壊すことで作品は完成していきます。
どちらも単純で反復的な作業を肯定するように行われ、ペイントによるタッチやハンマーによるヒビはそれぞれが異なる固有性を表し、その固有性は時間という二度と訪れない固有化された記号に付随することことで、さらに概念は強調されていきます。
また、固有化された時間は作家の行為により未来を示唆するものから、現在を共有するもの、さらには過去を見つめるものへと変容することで、時間に備わる性質そのものを可視化していきます。
【プロフィール】
1984年生まれ。2019年英国王立美術学院の彫刻科修了。2011年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程鋳金専攻修了。 原始的な素材や存在への関心をもとに、近年は固有性に関わる問題をテーマに絵画やインスタレーション作品を制作する。 主な個展に「A Second in Thousands – 36°19’21 “N, 139°01’09″E」(rin art association、高崎、2024)「Fragments of Information」(大和日英基金 、ロンドン、2020)、グループ展に「My Friends Are Genius II – Recent Graduate Exhibition」 (White Conduit Projects、ロンドン、2019)、「Only Connect Osaka」(CCOクリエイティブセンター大阪、大阪、2019)、「思考する技術」(京都市立芸術大学付属ギャラリー@KCUA、京都、2018)がある。
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